概要

概要

革命的に進展中のゲノム・オミックス観測技術を医学応用すること、特にそれらを用いて個別化医療を推進することが、期待されています。従来の治療法では個々の患者を十分には見ることができませんでした。しかし、患者の個人間の多様性を診断し、各患者に合わせた適切な種類と量の治療を施すことや、健康な状態からの発症の予防を実現することが必要です。本研究分野では、そのような医科学の課題を、数学や計算科学を使って克服します。現在、病院等の医療機関から、ゲノム・オミックスデータ、臨床情報など、医療・医学のビッグデータが蓄積されつつありますが、それらからデータマイニングを行うことで、がんや生活習慣病、神経変性疾患をはじめとする難病の原因を発見します。次に、分子プロファイルに基づくクラスタリングにより病気を分類し、また疾患メカニズムを全体のシステムとして理解します。このような形で、ゲノム・オミックスデータや臨床情報に基づく、発症や進行の知見が蓄積されます。そして、機械学習等の方法論を用いて、新しい患者の来院時に、患者ごとに、適切な治療法や予防法の予測を行うことが、各医療機関で実現できるようになります。このような、パーソナルゲノムに基づく個別化医療や予防医療という先端医療への展開に資するため、最先端の数理科学と計算科学を駆使した、生命医科学研究、および、予測によるゲノム医学の研究を行います。
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