概要 研究活動 教育活動 教育方針
ホームページ http://www.tmd.ac.jp/mri/SBS/sb/index_j.html

概要

ゲノム配列の決定やプロテオミクスの進歩により、多くのタンパク質の一次配列やその経時的な機能が解明されてきているが、タンパク質はある特定の立体構造をとることにより初めてその機能を発揮する。いわゆるプリオン病が示すように、タンパク質の化学的組成が同じでも、その立体構造が正しくなければ活性を示さないだけでなく疾病と関連することもある。
本分野では、タンパク質を中心に生体高分子の立体構造やそれに関連した物理化学的な性質を研究することを目的としている。また、合理的薬物設計を目指し、タンパク質と低分子化合物の複合体の構造も数多く決定している。X 線結晶解析による立体構造の解析を中心に、分子生物学的手法やコンピュータシミュレーション等も利用してタンパク質の機能発現機構の研究も行っている。一方、数々の生体高分子の立体構造情報(原子座標)が蓄積されつつあり、これと情報科学を結ぶデータベースの構築にも寄与している。こうした研究がこれらのタンパク質を標的とした創薬に結びつくことを目標としている。
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研究活動

当分野では、主に構造生物学の観点から、学内外の研究グループと共同で以下のような研究を展開している。

1. B 細胞共受容体の構造生物学的基盤
2. T 細胞の活性化におけるシグナル伝達機構
3. 核内受容体とリガンド分子間相互作用の分子機構
4. 細胞内シグナル伝達の制御に関わる PDZ ドメイン阻害剤の合理的設計
5. 巨大ヘモグロビンの構造基盤
6. HIV-1 複製抑制機構の分子基盤
7. リン酸化酵素を標的とした合理的薬物設計
8. 超高分解能構造による水素原子を含めた解析
9. 蛋白質立体構造データベースの改善
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教育活動

担当科目:
 分子構造学特論、分子構造情報学、プロジェクトセメスター

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教育方針

教育方針:
分子構造学特論
生体高分子の立体構造を探求する構造生物学は、近年めざましい発展を遂げ、膨大な構造情報が蓄積・公開されており、また新規の構造も次々と報告されている。本講義は、構造生物学を専門としない学生が、こうした貴重な成果を理解し、利用できるようにするためのものである。

分子構造情報学
X線結晶解析を中心に生体高分子の立体構造解析の原理を学ぶ。構造生物学の最新の研究や立体構造情報の創薬への応用などについて、文献研究を通して学ぶ。実際の蛋白質を対象に、試料の大量調製や結晶などを学び、構造決定法やその精密化などの計算的手法も習得する。さらに、得られた構造データの応用方法などについても学ぶ。プロジェクトセメスターについても、同様の方針のもと研究活動の指導を行う。
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