研究活動
1.動的バイオマテリアル表面・三次元体の生体材料応用
超分子構造を有するポリロタキサンを利用し、分子可動性が自由に調節できる新概念のバイオマテリアル表面を設計している。ポリロタキサンを固定した表面の分子運動性が細胞応答に及ぼす影響を基礎科学的な観点から明らかにしている。また、細胞移植のためのスキャフォールドなどの生体材料として、ポリロタキサンを基本骨格とした三次元構造体の作製を検討している。ポリロタキサンの運動性や分解機能を三次元構造体に導入することで新たなバイオマテリアル機能の創発を目指している。
2.細胞内分解性ポリロタキサンによる疾患治療
細胞内に取り込まれた後にシクロデキストリンを細胞局所で放出することが可能な分解性ポリロタキサンを設計し、細胞内の脂質環境の変調や脂質異常症等の疾患に対する治療を検討している。分解性ポリロタキサンはニーマンピック病C型におけるコレステロール蓄積を改善し、治療効果を示すことを明らかにしており、医薬品としての応用が期待される。
3.脱着可能な光分解性歯科用接着剤の開発
現在の歯科医療で使用されるレジンや歯科用接着剤の開発に携わってきました。現在、光分解性ポリロタキサンを含有した歯科用接着剤の開発を進めている。歯科矯正などに用いられる既存の歯科用接着剤は簡便な剥離の方法がなく、剥離時に歯質の損傷が懸念される。光分解性ポリロタキサンを含有した接着剤は光照射によって材料や接着強度が低下することを明らかにしており、低侵襲的に剥離できる新たな概念の歯科用接着剤として期待される。
教育活動
・修士課程 医歯理工保健学専攻「生体材料学」
・修士課程 医歯理工保健学専攻「応用生体材料学」
・修士課程 医歯理工学専攻「Advanced Biomaterials」
・修士課程 医歯理工学専攻「Applied Biomaterials」
・博士課程 生命理工医療科学学専攻「生体機能材料学特論」