概要 研究活動 教育活動 教育方針 臨床活動および学外活動 臨床上の特色
ホームページ https://www.med.tmd.ac.jp/medicine/departments/peri_neonatal.html

スタッフ

職名 氏名(カナ) 研究者情報
教授 髙木 正稔(タカギ マサトシ)
准教授 石川 智則(イシカワ トモノリ)
講師 石井 卓(イシイ タク)
助教 齊藤 和毅(サイトウ カズキ)
助教 森丘 千夏子(モリオカ チカコ)
助教 郡 悠介(コオリ ユウスケ)
このページの先頭へ▲

概要

本講座は 2010 年 4 月に設立された官学連携(現在は産学連携)寄附講座であり、小児科と周産 · 女性診療科それぞれ 3 名ずつからなる。
 東京医科歯科大学病院における小児 · 周産期医療の充実と、土浦協同病院との連携を基軸とした茨城県内小児 周産期医療の再生が目標である。本講座が中心となり学内周産期診療が充実したことで、2015 年 4 月 1 日に東京都地域周産期母子医療センターに認定された。学生や研修医教育 · 養成と確保の充実により、小児科、周産 女性診療科ともに医局内医師数は増加し、茨城県内医師不足地域へも派遣を行っている。
 また双方向ビデオカンファレンスシステムを導入し、大学と土浦協同病院間の診療 · 研究 · 教育面での連携が充実し、文部科学省課題解決型人材養成事業 (H26 30 年度) にも採択され、筑波大学と共同で「ITを活用した小児周産期の高度医療人養成」事業を推進した。
 茨城県における原発性免疫不全症の新生児マススクリーニングの導入に向けて積極的に取り組み、2022 年度からの実施にいたった。
このページの先頭へ▲

研究活動

小児科
1. 原発性免疫不全症レジストリを用いたラパマイシンの医師主導治験研究をAMEDの支援を受け医師主導治験として実施している。
2. 肺動脈性肺高血圧症(PAH)のレジストリ研究(多施設共同研究)
① 先天性心疾患に伴う PAH(JACPHR):AMED 研究代表施設として進行中である。
② 特発性/遺伝性 PAH(JAPHR):成人でも進行中のレジストリで、研究分担施設として参加している。18 歳未満の小児例を集積中である。
3. 肺動脈性肺高血圧症における BMP9 遺伝子機能解析(基礎研究)
4. 冠動脈瘤をともなう川崎病患者のレジストリ研究(多施設共同臨床研究)
5. 乳児白血病治療法開発:AMED の助成を受け乳児白血病の治療反応性層別化に有用なバイオマーカーを見出した。さらに乳児白血病発症のメカニズム、新規治療法開発に向けて取り組んでいる。
6. 骨髄NK前駆細胞性急性白血病の病態解明に取り組み、その成果を2023年に発表した。
7. 神経芽腫治療法開発:JCCGの神経芽腫委員として、新規神経芽腫治療法開発に向け取り組んでいる。
8. 子宮内環境による臍帯血および臍帯由来間葉系幹細胞のプロファイル変化についての研究に取り組んでいる。
9. 脳室周囲白質軟化症による脳性麻痺児における乳歯歯髄幹細胞プロファイル変化の検討を行っている。

周産·女性診療科
1. 妊娠中の自律神経機能と血管特性の変化(臨床研究)
2. 妊娠中の母体脳循環動態の解明(臨床研究)
3. 難治疾患合併妊娠の周産期管理に関する臨床的解析(臨床研究)
4. 精神疾患合併妊娠における薬物動態に関する研究(臨床研究)
5. 母児エピゲノムの体系的解析(臨床研究)
6. 生殖機能の温存に主眼を置いた低侵襲婦人科手術の開発
7. 生殖医療の提供
8. 生殖機能温存のための卵子·胚·卵巣組織凍結、精子凍結
このページの先頭へ▲

教育活動

小児科
1. 医学科 3· 4 年生のブロック講義、PCC 講義
2. 医学科 5· 6 年生の臨床実習ディレクター担当
3. Web カンファレンスによる学内外講師の講演
4. 医学科学生少人数グループに対する先天性心疾患 · 終末期医療レクチャー

周産 · 女性診療科
1. 医学科ブロック講義における産科学 · 婦人科学、クリニカルクラークシップでは周産期医学 · 婦人科学に関するミニレクチャーを行うと同時に、分娩立会い、処置 · 手術への積極的な参加を促した。
2. 初期研修医 · 後期研修医には病棟診療グループの一員として分娩、処置、手術に参加してもらった。また外部講師にレクチャーを依頼し、update な知識の習得に努めた。
3. 土浦協同病院との合同カンファレンス、シミュレータを活用した実践教育を行った。
このページの先頭へ▲

教育方針

小児 · 周産期医療を専門とする本講座が中心となり、東京医科歯科大学病院における小児·周産期医療の充実を達成してきた。学内周産期診療の充実により、学生および初期研修医の周産期医療の教育は充実し、その結果小児科、周産女性診療科ともに医局内医師数は増加してきた。そのことで、茨城県内医師不足地域への医師派遣も可能となっている。
 また土浦協同病院との連携を基軸とした茨城県内小児 · 周産期医療の再生を達成するために、双方向ビデオカンファレンスシステム/Web カンファレンスを用いて、大学から遠方の土浦協同病院においても教育面の充実を図っている。
これまでの成果が評価された結果、文部科学省課題解決型人材養成事業にも採択され、筑波大学と共同で「ITを活用した小児周産期の高度医療人養成」事業を推進してきた。
このページの先頭へ▲

臨床活動および学外活動

小児科
1. 日本における原発性免疫不全症診療のセンターとして、様々な疾患に対する造血幹細胞移植を実施している。
2. 2019 年秋からは新生児に対する姑息手術も開始し、良好な結果を得ている。今後さらなる手術数の増加が期待される。
3. 小児肺高血圧症の先進治療施設の一つとして、数多くの小児例に種々の標的治療薬(経口薬、非経口薬)を早期に導入し、患者の肺高血圧症の改善、生活の質の向上を達成している。
4. 東京都小児がん診療連携施設として数多くの小児 · AYA がんの診療に取り組んでいる。また CAR-T 細胞療法や HLA ハプロ不一致造血細胞移植など、難治例の移植 · 細胞療法に取り組んでいる。

周産 · 女性診療科
1. 2015 年 4 月 1 日に東京都地域周産期母子医療センターに認定され、ハイリスク妊娠の母体搬送を積極的に受け入れた結果、母体搬送の依頼件数、受入れ件数とも倍増した。
2. 生殖医療では、piezoICSI やタイムラプスシステムを導入し、良好な成績を得ている。
3. 腫瘍センターの「がん先端治療部」への改組に合わせて、妊孕性温存を担当する「がん生殖医療ユニットが」開設され、院内のみならず院外からの妊孕性温存症例を積極的に受け入れている。
4. 2022 年 11 月 1 日にリプロダクションセンターを新設し、“今すぐ“または”将来“の妊娠・出産を希望する患者さんに、専門的かつ包括的な生殖医療を実践している。周産・女性診療科の生殖医療チームを中心に泌尿器科・小児科・遺伝子診療科・心身医療科の 5 つの診療科の専門医や経験豊富なスタッフが、”妊娠成立“に加えて”より安全な分娩“や“出産後の健やかな生活”を治療の目標と考えて、確かな情報のもとに患者さん一人一人に最適な生殖医療を提供している。
このページの先頭へ▲

臨床上の特色

小児科
1. 重症肺高血圧の小児患者は希少疾患のため、強固な地域医療連携を通じた早期診断および紹介システムを構築している。また経口標的治療薬の早期併用療法の開始、非経口薬エポプロステノールの早期導入と積極的な増量を実践する治療戦略を基本として、臨床症例を蓄積している。
2. 小児がんに対して、臨床試験や難治例に対して造血細胞移植などを用い、医療を行っている。
3. 先天性免疫異常症の診断治療に、基礎的な面からの解析も含め取り組んでいる。
4. 遺伝性疾患の遺伝カウンセリングを実施している。

周産·女性診療科
1. 重度な合併症を有するハイリスク妊婦に対して、胎児と母体の相互関与を鑑みた適切な管理を行い、良好な成績をあげている。
2. 難治性不妊症に対し、周産期予後も考慮した統合的な不妊治療を提供している。
3. 婦人科良性疾患に対して、低侵襲手術を積極的に取り組んでいる。
4. 卵子・胚・卵巣組織凍結および精子凍結を行い、院内・院外からのがん治療後の妊孕性温存のコンサルテーションに応じている。
5. 東京都の「加齢等による妊娠機能の低下を懸念する場合に行う卵子凍結」の調査事業登録医療機関に指定され、ノンメディカルな卵子凍結に対応している。
このページの先頭へ▲