概要 研究活動 教育活動 教育方針 臨床活動および学外活動 臨床上の特色

スタッフ

職名 氏名(カナ) 研究者情報
教授 森 雅亮(モリ マサアキ)
講師 木村 直樹(キムラ ナオキ)
助教 伊良部 仁(イラブ ヒトシ)
助教 佐々木 広和(ササキ ヒロカズ)
このページの先頭へ▲

概要

急速な社会的な関心の高まりを受け、移行期医療整備を含む生涯を視野に入れた医療の重要性が見直されるようになり、また、平成27年からは国策として厚生労働難病政策の充実も図られてきた。一方、本邦の大学講座は、これまで内科と小児科の枠組みから脱することができず、別個に発展してきた経緯がある。特に免疫難病においては、原因がまだ十分に解明されていないために、子ども、成人、高齢者の間での共通点と相違点が全く整理されておらず、年齢ごとに分別化されたままほとんど融合されることなく独自に進化の道を歩んできた。したがって、生涯にわたり全人的、画一的な診断法や治療法はいまだ存在していないのが現状なのである。
 そこで、今求められるのは、膠原病・リウマチ性疾患などの免疫難病を小児から高齢者までシームレスに研究・診療する体制を確立することにある。かかる状況の下、本学では免疫難病の専門家が重職を担う講座(膠原病・リウマチ内科および小児科)と協同する寄附講座が2016年に設置され、それまで横浜市大で小児リウマチ診療を行っていた森がメンバーとして参画することになった。小児科スタッフと膠原病・リウマチ内科スタッフが相部屋となる、まさに「混成チーム」として始まった。本講座では、膠原病・リウマチ内科および小児科の協力を得て、これまでの既存の講座では成し遂げられないような生涯にわたった免疫難病の研究・教育・診療体制の統合を推進し、ひいては難病全般の診療と学問の刷新と充実の先駆けとなる新講座を目指す。
このページの先頭へ▲

研究活動

1)小児科および膠原病リウマチ内科の連携による研究体制の構築
 本講座では、概して小児と成人のリウマチ・膠原病疾患の異同性を明確に認識し、「ライフフルコースを通じた難病対策」のための全人的アプローチ法を開発し具現化を図る。特に小児から成人への移行期には、小児科から内科への担当科/主治医変更、薬物代謝や体格の変化による必要薬物量の変化など、過渡期特有の問題が多々生じ得る。
 また、免疫抑制薬の治療制限を受ける挙児希望者や、合併症やコンプライアンスが懸念される高齢者など、それぞれのニーズと問題点に配慮した治療戦略の提唱を行っていく。厚労省自己免疫班研究代表者として、主たるリウマチ・膠原病疾患について小児と成人を繋ぐ研究体制を構築している。

2)小児から成人移行期のデータベース構築をめざした臨床疫学的研究
 これまで本邦では整備されていない小児リウマチ・膠原病疾患の全国的なデータベースの構築を、本講座が中心となって行う。本邦のコホート研究は、厚労省の「小児慢性特定疾病」や「指定難病」の認定のために、小児と成人が独立して調査されてきた。
 本講座では国際的に連携し、小児から成人までのデータベースを構築することで、本邦の小児期発症リウマチ・膠原病患者の診療の実態を明らかにする。そして小児慢性特定疾病制度と指定難病制度の両者にまたがる免疫難病に対して、記載登録項目を統一するための基礎データを提示していく。
 具体的には成人関節リウマチ患者を対象としたNinJaをベースとして、JIA患者を対象としたデータベース、CoNinJaを完成させた。今後データ収集を行い、JIA診療の実態を明らかにしていく。

3)小児と成人の異同にかかわるゲノム,免疫マーカー研究
 本講座では、全エクソン解析、次世代シークエンス解析、免疫マーカー研究などの最新技術を有する本学の疾患バイオリソースセンターを活用し,小児から成人までに見られる免疫難病疾患全般(リウマチ・膠原病疾患、血管炎症候群,原発性免疫不全症、自己炎症性症候群)の病態解明に挑み、小児期発症例、小児から成人への移行例、成人発症例、高齢者について網羅的に解析を行う。

4)医師主導治験などによる新治療法の開発と普及
 医薬品承認のための臨床試験(治験)は急速な国際化が進み、国際共同試験への参加が増加している。また、医薬品の承認審査体制の整備とともに審査期間が大幅に短縮し、ドラッグラグの改善が期待されている。
 本講座では、小児と成人との過渡期では実施が難しいとされる、移行期における臨床試験や新薬の治験の推進などを積極的に行っていく。その結果、小児から成人までのリウマチ・膠原病疾患全体において治療目標が高度化し、治療の選択肢が複雑・多岐にわたることが予想されるため、これらの薬剤の使用実態を加味して、小児から高齢者までのオーダーメイドの治療が確立する方向性を探っていく。

5)成人から高齢者を対象とした臨床研究の実施、診療ガイドライン作成。
 膠原病リウマチ内科と連携しながら以下の研究を実施した。関節リウマチ:東京都健康長寿医療センターで実施した高齢発症関節リウマチに対する低疾患活動性を目標とした治療(T2T)を前向きに実施したコホート研究の3年間の治療成績を解析し、T2Tの高齢者に対する有効性を明らかにし、安全性も問題ないことを示し論文が英国リウマチ学会誌に掲載された。NinJaの高齢者データの解析からは、中年期期から前期高齢期、後期高齢期の患者の身体機能に着目し、ライフステージによってどのような問題点があるのかを解析し、臨床免疫学会で小宮が発表し、現在論文を作成中である。厚労省指定研究が主導しておこなった2020年関節リウマチ診療ガイドラインの作成のメンバーととして、高齢関節リウマチのシステマティックレビューと診療ガイドライン作成を行い、システマティックレヴューの結果は論文作成し現在投稿中である。中年期から高齢者を対象とする新たな前向きコホート研究を多施設で開始し、順調に患者登録が進んでいる。血管炎症候群:大型血管炎と小型血管炎コホート研究を実施、ANCA関連血管炎に関するデータ解析の結果が論文化され共著者として貢献した。大型血管炎診療ガイドライン英語版を作成し論文化した。AMED指定研究の中で、大型血管炎の寛解基準と治療戦略の策定に関するエキスパートオピニオンをDelphiの手法で杉原が取り纏め、APLAR国際シンポジウムで発表、今後論文化する。難病プラットフォームを使用したコホート研究を開始した。厚労省自己免疫班主導で行う難病プラットフォームを使用した多施設共同研究を立案した。成人発症スチル病、全身型若年性特発性関節炎、SLE、PM/DM MCTD SSが該当疾患となり全国規模の多施設共同研究を実施する。その補完的なデータとして、東京医科歯科大学で診断された成人発症スチル病についてのデータ解析を大学院生の近藤とともに実施、今年度のリウマチ学会で発表後論文化する。
このページの先頭へ▲

教育活動


小児から成人までを一貫して診療できる「ハイブリッド医」の育成
 これまでの診療体制は小児と成人で担当が分かれていた。しかし患者側から見れば、同一疾患にもかかわらず、成長してある年齢に達したら、担当科,主治医が変わってしまうことに対し、戸惑いと不安を感じ、時に不満の声が出ることも少なくない。成人側の担当医も、患者がこれまでどのような経過だったのか,成長期において医学的なこと以外にどのような問題や悩みがあったのか、キャリーオーバー症例に対して成人と同様に接して良いのかなど、対応に苦慮することも多い。そのためにも本講座が中心となり、小児と成人の両方の治療に精通し、小児と成人の垣根を越えた、リウマチ診療のスペシャリストである「ハイブリッド医」育成のための教育体制を提供している。
このページの先頭へ▲

教育方針

本講座は、膠原病・リウマチ内科および小児科の協力を得て、患者の生涯にわたっての免疫難病の研究・教育・診療体制の統合を推進し、ひいては難病全般の診療と学問の刷新、充実化の先駆けとなる講座をめざすべく動き出している。小児から成人移行期、成人期から高齢者の患者が抱える諸問題の解決を可能とするような小児科、成人科の専門医を育てる。
このページの先頭へ▲

臨床活動および学外活動

臨床活動
小児科、膠原病リウマチ内科で連携して小児から高齢者まで、膠原病・リウマチ性疾患の診療を行った。

学外活動

森 雅亮教授が以下における研究代表者として活動
#厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 自己免疫疾患に関する調査研究 [研究代表:森雅亮]
# AMED 臨床研究・治験推進研究事業 RSウイルス感染による新生児、乳児及び幼児を対象としたパリビズマブの多施設医師主導治験の推進 (新規ハイリスク患者対象) [研究代表:森雅亮]

森 雅亮教授が以下における研究分担者として活動
#厚生労働行政推進調査事業費補助金 免疫・アレルギー疾患政策研究事業
 我が国の関節リウマチ診療の標準化に関する臨床疫学研究
#厚生労働省科学研究費補助金 免疫・アレルギー疾患政策研究事業
 ライフステージに応じた関節リウマチ患者支援に関する研究
#厚生労働省科学研究費補助金 免疫・アレルギー疾患政策研究事業
 難治性・希少免疫疾患におけるアンメットニーズの把握とその解決に向けた研究
#厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業
 強直性脊椎炎に代表される脊椎関節炎の疫学調査・診断基準作成と診療ガイドライン策定を目指した大規模多施設研究                         


准教授の杉原毅彦は以下の研究分担者として活動
# 厚生労働省科学研究費補助金 免疫・アレルギー疾患政策研究事業
 ライフステージに応じた関節リウマチ患者支援に関する研究
#厚生労働行政推進調査事業費補助金 免疫・アレルギー疾患政策研究事業
 我が国の関節リウマチ診療の標準化に関する臨床疫学研究
#厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業
 難治性血管炎に関する調査研究
#AMED 難治性血管炎診療のCQ解決のための多層的研究 
#厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業
 自己免疫疾患に関する調査研究

以上につき、国内外の学会、研究会で研究成果を報告した。
このページの先頭へ▲

臨床上の特色

生涯免疫難病学講座は、「子どもから、成人、高齢者まで一生涯にわたり、膠原病・リウマチ性疾患などの『免疫難病』の研究・教育・診療体制の統合を目指す,世界に類をみない大学講座」である。本学の膠原病・リウマチ内科と小児科がタイアップすることにより、従来の講座のみでは達成できなかった、難病患者が抱える諸問題を解決している。
このページの先頭へ▲