概要 研究活動 教育活動 教育方針

スタッフ

職名 氏名(カナ) 研究者情報
教授 佐々木 雄彦(ササキ タケヒコ)
准教授 佐々木 純子(ササキ ジュンコ)
大学院生 﨑原 知子(サキハラ トモコ)
大学院生 釘井 雄基(クギイ ユウキ)
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概要

 生体を構成する脂質は、膜形成による細胞の区画化、エネルギーの貯蔵、細胞内外のシグナル伝達に利用されています。私たちの研究分野では特に、ホスホイノシタイドと呼ばれる、分子量が大きく複雑な構造をもつ微量リン脂質群に着目しています。約40種類のホスホイノシタイドキナーゼ/ホスファターゼの遺伝子改変マウスを作製し、がん、炎症性疾患、神経変性疾患をはじめとする難治疾患の病態研究に利用しています。また、ホスホイノシタイドの質量分析技術を新たに開発し、病態モデルマウスやヒト疾患サンプルに適用することで、代謝酵素遺伝子の異常や生活習慣による病態発現機構を、リン脂質の分子レベルで理解することに取組んでいます。これらによって、リン脂質による生体調節機構の理解を深め、難治疾患の治療標的の提示や、薬剤感受性予測マーカー、疾患層別化マーカーなどの開発を目指しています。
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研究活動

 脂質と疾患の関係を見出し、科学的に立証する基礎研究を進めるうえで私たちは、#B「脂質生物学分野の4原則」#BRを提唱しています。
① ヒトのある病気で特定の脂質の変化を見出すこと
② その脂質の代謝酵素を同定すること
③ その代謝酵素をマウスで欠損/発現させて同じ病気を起こすこと
④ その病態で①と同じ脂質の変化を見いだすこと

 この基本的な考え方に沿って、以下の多種多様な病態の本態解明と、その理解に基づいた医療応用課題にチャレンジしています。
・脂質プロファイルによるリンパ腫の層別化
・脂質プロファイルによるがん(乳がん、膵臓がん、リンパ腫等)の分子標的薬感受性予測法の確立
・肺炎、大腸炎、非アルコール性肝炎の病態形成に関わるリン脂質の同定
・大脳基底核神経変性に関わるリン脂質の同定
・新規リン脂質およびその代謝酵素の探索(lipidomics)
・リン脂質による標的タンパク質活性化機構の解明(MD simulation、proteomics)
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教育活動

【大学院生の研究課題】
1. 疾患の原因となる生理活性脂質の探索
2. 疾患を反映する生理活性脂質の探索
3. がん、炎症性疾患、神経変性疾患の脂質プロファイリングによる本態解明
4. 質量分析をベースとした脂質解析技術の開発
5. 脂質代謝酵素(PI3K, PTENなど)遺伝子欠損マウスの病態解析
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教育方針

 各学生に独立した研究テーマを設定し、細胞培養法、ゲノム編集法やノックアウトマウスの利用法の習得にはじまり多変量解析、クロマトグラフィー、質量分析の活用技術など、実験科学の知識やスキルを研究実践をとおして体系的に指導します。
 成果として、医学の進歩に有用で、科学的にオリジナリティの高い発見を目指します。
 周囲の研究者と協力しながら、新規性、独創性の高い研究の立案、遂行、情報発信ができる科学者の養成を目標としています。
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