職名 |
氏名(カナ) |
研究者情報 |
教授 |
戸原 玄(トハラ ハルカ) |
研究者情報 |
准教授 |
中川 量晴(ナカガワ カズハル) |
研究者情報 |
講師 |
山口 浩平(ヤマグチ コウヘイ) |
研究者情報 |
助教 |
吉見 佳那子(ヨシミ カナコ) |
研究者情報 |
非常勤講師 |
中根 綾子(ナカネ アヤコ) |
研究者情報 |
非常勤講師 |
長谷川 翔平(ハセガワ ショウヘイ) |
研究者情報 |
非常勤講師 |
吉田 早織(ヨシダ サオリ) |
研究者情報 |
非常勤講師 |
石井 美紀(イシイ ミキ) |
研究者情報 |
非常勤講師 |
松原 ちあき(マツバラ チアキ) |
研究者情報 |
非常勤講師 |
並木 千鶴(ナミキ チヅル) |
研究者情報 |
非常勤講師 |
今田 良子(イマダ リョウコ) |
研究者情報 |
非常勤講師 |
奥村 拓真(オクムラ タクマ) |
研究者情報 |
大学院生 |
村瀬 玲奈(ムラセ レナ) |
研究者情報 |
大学院生 |
内田 有俊(ウチダ アリトシ) |
研究者情報 |
大学院生 |
AMORNSURADECH SIRINTHIP(シリンティブ アモーンスラデート) |
研究者情報 |
大学院生 |
吉﨑 怜子(ヨシザキ レイコ) |
研究者情報 |
大学院生 |
金井 亮太(カナイ リョウタ) |
研究者情報 |
大学院生 |
堀家 彩音(ホリケ アヤネ) |
研究者情報 |
大学院生 |
肥後 智行(ヒゴ トモユキ) |
研究者情報 |
大学院生 |
CHUI LUNG YAT RONALD(サイ リュウイツ) |
研究者情報 |
大学院生 |
丸山 朋華(マルヤマ トモカ) |
研究者情報 |
大学院生 |
ZHAO XIRUI(チョウ シユイ) |
研究者情報 |
学生 |
亀田 千津子(カメダ チヅコ) |
研究者情報 |
学生 |
原 良子(ハラ ヨシコ) |
研究者情報 |
学生 |
中澤 貴士(ナカザワ アツシ) |
研究者情報 |
学生 |
八尾 有紀(ヤオ ユウキ) |
研究者情報 |
学生 |
ZHANG JINYUE(ショウ シンヤク) |
研究者情報 |
学生 |
LI YIZHAO(リ イッショウ) |
研究者情報 |
学生 |
江角 明日香(エスミ アスカ) |
研究者情報 |
学生 |
WEI QINXIN(イ シンシン) |
研究者情報 |
特別研究員(学振) |
柳下 柚子(ヤナシタ ユズ) |
研究者情報 |
概要
摂食嚥下リハビリテーション学分野は、2020年4月高齢者歯科学分野から独立する形で設立された。超高齢社会日本において、摂食嚥下リハビリテーションを軸とした高齢者医療および障害者医療を実践できる人材の育成を目指している。臨床の対象者は高齢者のみならず成人や小児にも対応し、診療形態は外来患者および在宅や施設療養者への訪問、医学部および歯学部附属病院入院患者への対応、そして近年オンライン診療も開始した。研究は、摂食嚥下機能やその訓練方法に関わるものだけではなく、口腔周囲筋(舌、咀嚼筋、嚥下関連筋)の加齢変化や全身との関連、経口摂取と経管栄養が全身にもたらす影響の違い、質的研究なども行っている。
研究活動
1)嚥下障害、口腔機能低下症、オーラルフレイルの評価を目的とした機器の開発
摂食嚥下機能を定量的に評価する機器の開発し、臨床応用を進めている。過去に嚥下機能や口腔機能低下症の簡便な評価を目的とした開口力計を開発し、特許を取得した。現在は、咀嚼時の下顎運動や、噛む力、舌の力といった摂食嚥下に関わる筋肉の力など、これまで評価することが困難であった部分を計測する機器の開発を進めている。また、これらの機器は、嚥下障害のみならず近年重要視されるようになったオーラルフレイルや口腔機能低下症の評価についても応用可能である。
2)胃ろうモデルラットを用いた栄養学的な検討
高齢者や摂食嚥下障害患者では、誤嚥性肺炎や低栄養を予防するために胃ろうなどの経腸栄養を選択することがある。胃ろうは利点の多い栄養摂取法ですが、一方で慢性的な消化管障害などを生じることがある。そこで、胃ろうモデルラットを作製し、さまざまな種類の栄養剤で飼育し、栄養価、腸内細菌叢などに変化が生じるか探索している。
3)頚椎疾患患者の嚥下機能の画像解析
頚椎疾患患者においては、比較的多くの術後嚥下障害に関する研究報告がされている。しかしながら、嚥下障害の原因を運動学的に解析した研究は少ない。そこで、本学医学部整形外科学分野との共同研究として、頚椎疾患患者の手術前後の舌骨運動等を嚥下造影検査の画像をもとに解析し、術後嚥下障害の原因を検索している。
4)脳卒中患者に対する医科歯科連携における総合的研究
脳卒中患者において、医科歯科連携によるその介入効果や口腔機能管理における手法の確立がいまだなされていなかった。そこで本大学医学部附属病院に入院をした脳卒中患者に対し入院後早期に口腔機能管理の介入を行い、急性期肺炎合併率を減少させた。また、脳卒中急性期患者に対するケアマニュアルや医科歯科連携ガイドブックも完成させ、現在は共同研究において多施設における介入効果を検証し、オールジャパンで医科歯科連携における口腔機能管理方法の確立を目指している。
5)喉頭全摘患者に対する革新的な口腔内装置型代用発声法の開発
喉頭全摘患者は話す機能が大きく障害されることで生活の質を著しく損なわれる。これまで電気式人工喉頭や食道発声法などによる代用発声法が用いられてきたが、手術の必要性や高いコストなど問題点もあった。我々は口腔内に取り外し可能な、従来法とは全く異なる代用発声法の開発、効果検証を進めている。
6)口腔周囲筋に着目した高齢者の虚弱の解明と新しい機能評価法の確立
フレイルやサルコペニアといった高齢者の虚弱は、すでに世界中で広く認知されている。虚弱の評価は筋量、筋力、身体機能に着目しているが、これまで口腔周囲筋に対して同様の検討は進んでいない。我々は超音波診断装置による筋量評価、専用の計測機器を用いた口腔周囲筋力、機能評価を組み合わせて、口腔周囲筋に生じる虚弱を明らかにし、簡易で臨床応用可能な口腔・嚥下機能評価法の確立を目指している。
7)嚥下障害患者に対する炭酸とろみの効果検証や2段階アングルの内視鏡の開発
嚥下障害患者は水分誤嚥のリスクにより炭酸飲料を摂取できないことが多々ある。一方で、炭酸には嚥下に良い効果があることが報告されているが、炭酸にとろみをつけて摂取させた研究は報告されていない。我々は、とろみをつけた炭酸飲料における炭酸が嚥下動態に与える影響について検証している。また、嚥下機能評価に用いる内視鏡は30年近くその形を変えていない。当分野では、従来1段階しか屈曲しないシャフト部を改良し、2段階屈曲可能な内視鏡を開発し、その効果検証をしている。それにより気管後壁の観察が可能となり、誤嚥の検出の精度向上などの有用性が期待される。
8)蛍光物質を利用した非侵襲の嚥下機能評価機器
嚥下内視鏡検査と嚥下造影検査は様々な臨床場面で実施されるが、いずれも侵襲性があり、術者の熟練度が検査の正確性や診断に影響する。そのため、簡便で侵襲なく、繰り返し実施可能な新たな検査手法の実用化が求められる。現在、本学と他大学との共同研究として、食品中の蛍光物質の蛍光計測を応用した非侵襲の誤嚥リスク検出システムの開発を進めている。
9)オンライン診療や口腔内スキャナーなど摂食嚥下リハビリテーションのデジタル化の研究
歯科における、デジタル化は着実に進んでる。摂食嚥下リハビリテーションや歯科訪問診療の現場でもその有用性は高いと考えられるが、現在、広く活用されていない。摂食嚥下リハビリテーションや訪問診療におけるオンライン診療やデジタル機器(特に、口腔内スキャナー)の有用性の検証、臨床に適した新たな機器開発などに取り組んでいる。
教育活動
今後、ますます進む高齢社会において、摂食嚥下リハビリテーションなどを通じて、医療や介護、そして世間に貢献できる人材の輩出に取り組んでいる。学部教育では、摂食嚥下に関わる座学はもちろんのこと、在宅、施設、または病院への訪問診療の同行を通じて、現場での多職種連携などについて学ぶ機会を提供している。その他、コロナ対策で学生や研修医の動向見学が困難な訪問診療の場面にはオンラインを生かした教育を開始した。
臨床活動および学外活動
嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査による摂食嚥下機能評価、また、評価に基づくリハビリテーションを実施している。当分野では、訪問診療による在宅医療に力を入れている。経口摂取の可否の評価のみならず、食形態や姿勢、患者の環境調整などを通じて、患者さんに最後まで楽しさを失わない生活を送っていただくための臨床に日々取り組んでいる。また外来診療では、口腔癌術後患者のリハビリテーションを中心に、大学病院ならではの様々な疾患による嚥下障害患者さんにも対応している。その他、当該医療の過疎地に在住している嚥下障害への対応を目的としてオンライン診療が可能な環境を整えたが、オンライン診療はコロナ対策で対面が不可能な場合にも有効利用できた。
臨床上の特色
当科は、在宅医療における摂食嚥下リハビリテーションの提供を専門的にしている。そのため、歯科訪問診療において、口腔衛生管理、口腔機能管理を担当されるかかりつけ歯科医師などとも効果的な連携が十分に可能である。また、オンライン診療は国内に限らず、国外の対象者にも提供可能である。