職名 |
氏名(カナ) |
研究者情報 |
教授 |
藤井 靖久(フジイ ヤスヒサ) |
研究者情報 |
准教授 |
吉田 宗一郎(ヨシダ ソウイチロウ) |
研究者情報 |
講師 |
田中 一(タナカ ハジメ) |
研究者情報 |
大学院生 |
藤原 基裕(フジワラ モトヒロ) |
研究者情報 |
大学院生 |
CHEN WEI(チン イ) |
研究者情報 |
医員(医病) |
小林 正貴(コバヤシ マサキ) |
研究者情報 |
医員(医病) |
伊東 翼(イトウ ツバサ) |
研究者情報 |
概要
泌尿器科学は、悪性腫瘍(癌)、前立腺肥大症などの排尿障害、副腎腫瘍などの内分泌学、尿路結石、腎機能異常、泌尿器放射線学、神経泌尿器科、男性科、小児泌尿器科、女性泌尿器科、尿路感染、尿路外傷など広い領域を扱っている学問である。日本を筆頭に世界で超高齢社会が急速に進行しており、これに対応した医療の開発は世界の最重要課題の一つと考える。私たちは、超高齢社会にも対応したHigh quality, Affordable costの医療の開発・実践を主な目標にしている。先端型ミニマム創内視鏡下手術、筋層浸潤膀胱癌に対する四者併用膀胱温存療法、筋層非浸潤膀胱癌の予後予測モデル、小径腎腫瘍の悪性良性の鑑別診断モデル、前立腺癌に対する部分小線源治療など多くのオリジナルな医療を開発、実践している。同時に、世界の標準的医療を提供することも重要で、MRI-超音波弾性融合画像ガイド下前立腺生検、主要な泌尿器科疾患に対するロボット支援手術、前立腺肥大症に対する新規低侵襲治療(ツリウムレーザー前立腺蒸散術、ウロリフト)などの先端的検査、手術も積極的に導入、施行している。
研究活動
現在は、悪性腫瘍、画像診断、実践的バイオマーカーの開発を中心に臨床研究、基礎研究を行っている。研究は臨床と車の両輪をなすもので、臨床に立脚した研究を行うことによって臨床能力がより深められると確信している。具体的には、炭酸ガスを使用しない低侵襲手術であるミニマム創内視鏡下泌尿器手術、筋層浸潤膀胱癌に対する低侵襲· 根治的膀胱温存療法、腫瘍の位置や画像所見を組み込んだ筋層非浸潤膀胱癌の予後予測モデル、根治性を損なうことなく性機能を維持できる密封小線源治療を用いた前立腺部分治療、腎血流を遮断しない無阻血腎部分切除、などのオリジナルな医療の開発、実践を進める。画像診断では、泌尿器科癌における拡散強調MRI、全身MRIの有用性を示してきたが、最近は人工知能(AI)や複合現実技術(Mixed reality)のテクノロジーを導入し成果を上げている。泌尿器腫瘍のバイオマーカーとしてのCRPについても多くの研究成果がある。また悪性腫瘍手術と腎機能を含めた機能学的アウトカムに関しても多くの新知見を見出している。
基礎研究では、“Bed to Bench, feedback to Bed”をモットーに、臨床の課題を克服するような研究を目指している。現在、尿路上皮癌の化学放射線療法における基礎的バイオマーカー開発、免疫チェックポイント阻害剤の基礎的バイオマーカー開発、耐性のメカニズム解明とその耐性克服などをテーマにした研究を行っている.
教育方針
腎泌尿器外科学講座の卒前卒後教育の目標は、高い倫理性を持ちかつ高度の医学知識と医療技術を身につけた泌尿器科専門医を育てることにあり、その中から臨床医学の教育研究者としての資質を備えた人材が育つことを期待している。卒前教育は基礎的な解剖、生理、病理の知識を土台として患者の訴える病状と徴候を把握する能力を養い、それに基づいて必要な検査を行い、そこで得た事実を体系づけて診断にいたる、問題解決型の思考を身につけ、これらの過程に必要な知識のネットワークを作ることを目的としている。
卒後教育、特に後期研修では、まずは泌尿器科学一般の知識と技術を身につけ、倫理性と責任感を養い、さらに国際性を高めることを目的とした4 年間の研修を行う。私たちのプログラムでは、充実した連携施設を有しており、質、量ともに充実した研修が受けられる。例えば、ロボット支援手術(ダビンチ手術)は、基幹施設である東京医科歯科大学病院を初め、4つのがんセンター(がん研究会有明病院、がん・感染症センター都立駒込病院、国立がん研究センター東病院、埼玉県立がんセンター)、6つの地域の中核病院(土浦協同病院、JAとりで総合医療センター、さいたま赤十字病院、公立昭和病院、多摩南部地域病院、草加市立病院)で実施している。三次救急を担う地域中核病院が3施設(公立昭和病院、さいたま赤十字病院、土浦協同病院)あり、また都立大塚病院での尿路結石治療など、それぞれの病院で特徴的で先進的な診療を行っている。
その後は泌尿器学の各専門分野領域に踏み込んだ臨床研修を行うとともに、その何れかの領域におけるテーマについて研究を行う。大学病院、大学院、関連病院、国内研究施設において研鑽し、この時期を経て海外施設への留学を行う。
臨床上の特色
「患者さん・社会に役に立つ新規医療を開発し、世界に発信すること 」を目標とし、泌尿器科臨床の多くで世界トップレベルの医療を提供できる診療体制をとっている。世界標準の先端的手術であるロボット支援手術や腹腔鏡下仙骨腟固定術に加え、泌尿器腫瘍に対する先端的ミニマム創内視鏡下手術、筋層浸潤膀胱癌に対するテトラモダリティー膀胱温存療法、腎癌に対する無阻血腎部分切除など新規医療の開発を行なっており、その高い有用性を示している。国際標準的な治療を重視する原則を守りながら、先端技術を駆使した方法を開発実用化し、従来の治療の壁をこえて治療成績を向上させる努力を続けている。オリジナルな先進的医療の例を挙げる。
●先端的ミニマム創内視鏡下泌尿器手術
●筋層浸潤性膀胱癌に対する四者併用膀胱温存療法(経尿道的膀胱腫瘍切除+導入化学放射線療法+膀胱部分切除)
●無阻血腎部分切除
●限局性前立腺癌に対する前立腺部分治療
●血清CRP値の泌尿器癌予後予測マーカーおよび手術侵襲マーカーとしての応用
●小径腎腫瘍および前立腺癌に対する精緻な画像診断の確立
●MRI-超音波融合画像前立腺標的針生検
●拡散強調MRI検査の臨床応用