職名 |
氏名(カナ) |
研究者情報 |
教授 |
横関 博雄(ヨコゼキ ヒロオ) |
研究者情報 |
教授 |
沖山 奈緒子(オキヤマ ナオコ) |
研究者情報 |
特任研究員 |
遠藤 香凜(エンドウ カリン) |
研究者情報 |
概要
当講座は、皮膚に表現されるすべての疾患を対象とした教育、診療、研究を担当している。
1)教育
卒前教育では、一般医として必要な皮膚の解剖学、生理学、免疫学、薬理学などの基礎知識とそれに基づく皮膚疾患の理解に重点をおき、外来での見学、ベットサイドティーチングを中心とした教育を行う。特に医学部3年生のブロック講義では「皮膚・アレルギー・膠原病ブロック」「免疫学II」を担当している。
卒後教育は、専門医としての皮膚科学の基礎的知識の修得と臨床医としての技術・手技の習熟を行い、「皮膚科学から見る人間学」の研鑽をつむことを目標としている。
2)臨床
皮膚科学の臨床は、皮膚に表現される微細な変化から全身の生体状態を把握し、疾病の早期診断・早期治療を行うことにある。外来・入院患者を通じて皮膚徴候の検出と理解の訓練、皮膚徴候からの内臓諸器官の機能の推測とその証明、皮膚疾患の原因・誘因の検出方法、外用療法、外科的手技を用いた治療、内科的治療を駆使して疾病の治療を行っている。
3)研究
皮膚に表現される疾患の全てを対象とする皮膚科学では、その研究対象が多岐にわたる。当教室では種々の皮膚疾患の病因・病態を免疫学的アプローチにより解明することに努力している。当教室のこれまでの研究業績を基盤として、免疫アレルギー疾患、腫瘍等の研究を行っている。
(1)皮膚筋炎の研究
特異的皮疹を伴う炎症性筋疾患である皮膚筋炎では、筋炎特異的自己抗体が複数同定され、抗体ごとに臨床像がサブグループ分類されることが分かってきた。当教室では、この自己抗体ごとの臨床像解析や分子生物学的解析を多数発表している。さらに、自己抗体ごとの新規モデルマウスを世界で初めて作出し、病態解明と至適治療法開発にも取り組んでいる。
(2)皮膚苔癬反応(皮膚移植片対宿主病や扁平苔癬、重症薬疹、膠原病の皮疹)の研究
病理組織学的に苔癬反応を示す場合には、表皮角化細胞が免疫反応の標的となっており、角化細胞死を来すため、皮疹は重症化する。キラーT細胞がその病態の本態であり、モデルマウスを用いて治療標的を探索し、産学共同研究にて治療法開発に取り組んでいる。
(3)免疫チェックポイント分子の基礎的解析
がん免疫療法の標的として注目される、PD-1やそのライガンドPD-L1, PD-L2をはじめとした免疫チェックポイント分子は、そのシグナル遮断薬によってがん免疫を増強し、一方で白斑や乾癬、扁平苔癬といった皮膚症状を含む全身臓器での免疫関連副作用を呈して来る。臨床検体解析やモデルマウス研究によって、この免疫関連副作用の病態解明と対処法の開発を行ってる。
(4)アトピー性皮膚炎の研究
好塩基球の炎症における役割が最近あらためて注目されてきている。現在、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性皮膚疾患における好塩基球の分布やその役割について解析を行っている。
(5)発汗異常の研究
指定難病でもある後天性特発性無汗症の症例が集積している当科では、臨床統計的解析と共に、モデルマウスを作出して病態メカニズムの研究をおこなっており、有効な治療法の開発を目指している。