職名 |
氏名(カナ) |
研究者情報 |
教授 |
若林 健二(ワカバヤシ ケンジ) |
研究者情報 |
准教授 |
野坂 宜之(ノサカ ノブユキ) |
研究者情報 |
助教 |
増田 孝広(マスダ タカヒロ) |
研究者情報 |
助教 |
三島 有華(ミシマ ユカ) |
研究者情報 |
特任教授 |
髙橋 英夫(タカハシ ヒデオ) |
研究者情報 |
特任講師 |
山内 英雄(ヤマウチ ヒデオ) |
研究者情報 |
非常勤講師 |
松本 正太郎(マツモト ショウタロウ) |
研究者情報 |
大学院生 |
塩田 修玄(シオタ ノブヒロ) |
研究者情報 |
大学院生 |
壹岐 陽一(イキ ヨウイチ) |
研究者情報 |
大学院生 |
阿部 迪子(アベ ミチコ) |
研究者情報 |
大学院生 |
内御堂 亮(ウチミドウ リョウ) |
研究者情報 |
概要
集中治療医学/医療に特化して取り組んでいる。集中治療部における集中治療専門医の役割は、多専門分野にわたる重症病態の治療を調整し、指導することにある。重症病態に陥ると、呼吸、循環、代謝を中心として原因疾患にかかわらず共通の病態を示す。このような重症患者は、絶えざる監視・評価により状態の変化をすばやくとらえ、即応した治療を行なうことが重要である(minute-to-minute titration of therapy)。集中治療専門医はこのtitration therapy を行ない、統合的な治療の一環を担うために、多職種連携を行って治療にあたることが重要である。重症病態に対して、各患者の最適な生理的状態を維持するように治療を行ない、生命維持が確保されている間に原因疾患の治療、改善を図ることが集中治療医学の目的である。
集中治療医学が取り組んできた病態/疾患/治療法を具体的にあげると、各種ショック、急性呼吸不全、人工呼吸、敗血症、多臓器不全症候群、酸塩基平衡異常、電解質異常、急性腎不全、急性中枢神経障害(意識障害)に対する集中治療、薬理学的/機械的循環補助、栄養管理、血液浄化法、院内感染症防止策/治療、等である。
研究活動
当分野では後方視的なビッグデータ解析と、translational research の手法を用いて、集中治療領域の疾患における病態解明に迫る事を目標にしている。また、実臨床における課題解決型の研究を数多く手掛け、医学教育研究にも取り組んでいる。
1)COVID-19における細胞外小胞の臨床的意義と現場実装に向けた新規検出技術の基盤確立(若林)
2)小児患者の全身麻酔時の脳波変 (若林分担)
3)ECMO回路内におけるMicrovesiclesの動態の解明(若林)
4)集中治療領域における課題解決に基づく新規ソリューション検討(若林)
5)収納式トイレのユーザーエクスペリエンスと臨床上の効果に対する検討(若林)
6)遠隔応対ソリューションをつかった集中治療室入院患者とその家族のコミュニケ-ション改善(野坂)
7)COVID-19感染者における健康と回復(野坂)
8)経時的遺伝子発現解析を用いた敗血症慢性重症経過の病態解明と予測モデル構築(内御堂)
9)ICUにおける抗菌薬適正使用支援プログラム手法の開発(三島)
10)ICU における栄養療法と ICUAW の関連についての前向き観察研究(増田)
11)小児急性脳症マウスモデルの確立と低体温・平温療法の効果の比較検討(野坂)
12)メタボロミクスによる重症新型コロナウイルス(SARS-CoV2)肺炎(COVID-19)における炎症性代謝障害の解明と臨床応用への探索的前向き観察研究(内御堂)
13)重症症例に対する意識下挿管と合併症発生割合との関連についての後方視的研究(増田)
14)日本集中治療医学会主催のICU入室患者登録システム事業への参画(三島 内御堂)
15)入院患者に対する院内迅速対応システムの効果の検討(三島)
16)集中治療領域での抗菌薬選択に関する後方視研究(三島)
17)RRSへのEWS自動計算システム導入が病棟患者の急変およびICU緊急入室に及ぼす影響の検討(野口)
18)クリティカルアケア領域で人工呼吸器を装着する患者のコンフォートに関する調査(野口)
19)急性肝不全におけるmicrovesicleの動態と役割の解明(若林)
20)重症コロナウイルス感染症患者の家族における「家族の集中治療後症候群」に関する調査(野坂)
21)集中治療室に入室する小児患者の体格と転帰に関する研究(野坂)
22)集中治療室における多職種回診の遠隔化による患者転帰ならびに医療スタッフへの影響に関する研究(野坂)
23)クエンチ抗体を用いた実サンプルからのSARS―CoV-2検出に関する基礎的検討
(野坂)
24)動線・環境・生体計測データの時空間解析に基づく集中治療室のQI評価手法の構築:東京医科歯科大学病院新旧両棟の比較を例に(若林 野坂 野口)
教育活動
卒前教育
救急 · 麻酔ブロック講義:4 年生対象
山内:人工呼吸器・ARDS
増田:急性期栄養学
三島:ICUにおける終末期医療・緩和ケア
野坂:ICUにおける合併症予防・PICS―F
クリニカルクラークシップ:5年生(1週間)6年生(2週間)集中治療実習を担当している。
集中治療部の患者 1-2 人に関して、朝夕の回診を中心として教育を実施する。朝、8:15 からの多職種回診参加を経てその日に行なうべきことをチェックし、一日かけて受け持ち医、集中治療部指導医と共に患者 の治療、検査を担当する。夕方に指導医を中心とした教育回診において、受け持ち患者の presentation を行う。
研修医の集中治療部実習:
2ヶ月間、集中治療部での実習を行っている。重症患者の呼吸 · 循環 · 代謝管理を学び、エコーや気管支鏡の 操作、カテーテル挿入などを学習している。
教育方針
毎週火曜日は academic day と名付け学生・研修医のみならず全スタッフを各種の教育カンファレンスを行う。
卒前教育:集中治療を知る・興味を持つ
卒後教育:集中治療に取り組む・誘う
専門医教育:集中治療を極める
臨床活動および学外活動
中央診療部門の一つである集中治療部において、集中治療部専任医師、集中治療専門医が専従で集中治療部に常駐 し、重症患者さんの呼吸 · 循環 · 代謝管理および治療を担当している。これらの集中治療部医師は、主治医グルー プ · 薬剤師 · 管理栄養士 · リハビリスタッフ・臨床工学技士・入院時重症患者対応メディエーターと共に平日毎朝、多職種回診を実施し、各患者にとって最適な管理および治療の方針をたて、それを実践している。RAS (Risk Assessment System) は平日日中に全病棟を回診し院内の急変事象を予防するユニークな取組みを2017 年 3 月より開始し、年間のべ400件の相談を受けている。
臨床上の特色
多職種回診を基盤とした早期離床プログラム、早期栄養の開始を実施し、重症患者の転帰改善に努めている。
また、各診療科の集中治療管理を昼夜を問わずサポートし、医師の働き方改革にも貢献している。さらに今年度はクラウドファンディングに挑戦し、集中治療後症候群(PICS)の啓発活動の一環として啓発漫画の作成に取り組んだ。