職名 |
氏名(カナ) |
研究者情報 |
教授 |
相田 潤(アイダ ジュン) |
研究者情報 |
准教授 |
松山 祐輔(マツヤマ ユウスケ) |
研究者情報 |
助教 |
財津 崇(ザイツ タカシ) |
研究者情報 |
概要
「臨床」では患者さんの診断をして治療を行いますが、社会の人々の診断をするために用いられるのが「疫学」であり、これを通じて社会の人々の健康の維持・増進をはかるのが「公衆衛生学」です。健康推進歯学分野では、疫学、公衆衛生学、息さわやか外来の臨床やフィールドでの活動を通じ、人々の健康を推進することを目指しています。
「疫学」は将来臨床医になる人にも役立ちます。自分の診療所の特徴や患者さんたちの状態を客観的にデータから判断し、エビデンスに基づいた予防や治療を行うために疫学は欠かせません。
「公衆衛生学」は国、都道府県、市町村といった行政で働くためには必要不可欠な学問です。行政は人々の集団である社会の健康を維持・増進するための活動を行います。地域の人々の健康に貢献するために、公衆衛生的素養を身につけることは重要です。
また、本分野では保健センターや企業などでの健診、口臭の治療に特化した「息さわやか外来」での診療も行っています。口臭は歯や口の悩みごとの第3位と多い悩みであり、職場や地域で人々のコミュニケーションを阻害する要因です。世界的にも稀有な口臭治療を専門とする大学病院の診療科として、日本で数少ない測定機材などを備えた最先端の口臭治療を行い、幸福に貢献する診療を行っています。ここでは歯科医師・歯科衛生士として、数少ない特別な技能を身につけることができます。
このような、特殊な専門性を身につけることで、オンリーワンの人材として、人々の健康の推進に「疫学研究者」、「行政の専門職」、「自身の患者さんの状態の把握や最良の治療を、疫学を用いてデータとエビデンスで判断でき、口臭治療も行える臨床医」として寄与できる人材の育成を行っています。
研究活動
分野としての主な研究テーマ
・ 口腔と全身の健康の因果推論の研究
・ 健康格差と社会的決定要因の研究
・ 口臭症の診断と治療システム構築に関する研究
教育活動
1)大学院教育
博士課程 健康推進歯学 特論(1年次)、演習(1-2年次)、研究実習(2-3年次)
医歯学総合研究科コース特論 健康科学コース
修士課程 環境社会医歯学
2)学部教育
歯学科1年生対象
モジュール01「歯学入門」:ユニット03「最新の歯学」、ユニット04「早期臨床体験実習」
歯学科2年生対象
モジュール04「社会と環境」:ユニット02「ライフスタイルと健康」
歯学科3年生対象
モジュール10「予防と健康管理」:ユニット01「口腔疾患の予防(講義・演習)」、ユニット02「口腔疾患の予防(実習)」
歯学科4年生対象
モジュール19「研究体験実習」
歯学科5、6年生対象
モジュール29「包括臨床実習」
口腔保健学科4年生対象
「臨床実習」
教育方針
1)大学院教育
疫学統計を用いて研究や地域診断を行える歯科専門職を養成する。そのために、国際的に最先端の研究を、国際的なネットワークの中でコンテキストを理解して行っていく。
特論では口腔疾患の予防およびオーラルヘルスプロモーションに関する基礎、臨床、疫学研究について概説する。口腔疾患の予防、歯科公衆衛生、口腔疾患の疫学、口腔疾患の社会的側面、プライマリヘルスケアとヘルスプロモーション、保健医療システムや教育制度とオーラルヘルスプロモーションとの関連などについて講義やディスカッションを行う。
2)学部教育
「ライフスタイルと健康」:学生が健康と社会制度や環境との関連を理解し、人々の健康推進を支援できる歯科医師となるために必要な知識、技術、態度を修得すること。
「口腔疾患の予防Ⅰ・Ⅱ」:学生が口腔疾患の予防と健康管理を実践していく歯科医師となるために必要な知識、技術、態度を修得すること。
臨床活動および学外活動
東京医科歯科大学歯学部附属病院の「息さわやか外来」において、口臭に関する診断、治療、予防を行う専門外来を担当している。当外来を受診する口臭症患者は、歯学部附属病院内の他の診療科や外部の歯科診療所等からの紹介患者が約半数を占め、インターネットや新聞・テレビなどのマスメディアにより当外来の存在を知り、来院する者も多い。
当外来では、ガスクロマトグラフィーおよびガスセンサー口臭測定器による揮発性硫化物(VSC)濃度の測定と官能試験により、口臭の検査を行っている。正確な口臭の検査および口腔内診査に基づき診断を行い、患者の心理面も配慮し、口臭症の治療を行っている。また、口臭の治療には継続した歯周疾患の管理や口腔ケアが必要であり、当病院の口腔ケア外来やかかりつけ歯科医との連携を図っている。