職名 |
氏名(カナ) |
研究者情報 |
教授 |
鵜沼 香奈(ウヌマ カナ) |
研究者情報 |
准教授 |
秋 利彦(アキ トシヒコ) |
研究者情報 |
助教 |
船越 丈司(フナコシ タケシ) |
研究者情報 |
特任助教 |
渡邊 嶺(ワタナベ リョウ) |
研究者情報 |
特任助教 |
WEN SHUHENG(オン ショコウ) |
研究者情報 |
技術補佐員 |
加世田 莉奈(カセダ リナ) |
研究者情報 |
研究活動
研究
当教室では、研究は法医学的な応用を視野に入れながら、科学の発展に寄与できるように取り組んで行きたいと考えている。
1.中毒学
中毒は法医学領域において、重要な死因であり、その薬毒物の作用機序を解明し、中毒の治療・予防に寄与することをめざす。薬毒物によりその作用機序はことなり、死につながる病態も様々である。現在、細胞死の機序を生化学・分子生物学的手法を用いて研究している。心臓、神経、肺上皮等由来の培養細胞に、薬毒物(一酸化炭素、シアン、ヒ素)を作用させ、細胞死に関与する細胞内情報伝達系について研究している。特にミトコンドリアの機能、細胞保護的なオートファジーの関与を中心に研究している。適宜、動物モデルを用いる。
2.アルコール医学
アルコールは急性中毒のみならず、アルコールが関与した事故、犯罪、家庭崩壊、労働能力低下など社会的、経済的に重要な薬物である。法医学領域においては、酩酊度の評価が重要である。アルコールによる細胞毒性機序について研究している。
3.法医病理
法医診断の精度向上のため、免疫組織化学、動物モデルを作成して、研究している。
教育活動
教育
法医学とは医学的解明助言を必要とする法律上の案件,事項について,科学的で公正な医学的判断を下すことによって,個人の基本的人権の擁護,社会の安全,福祉の維持に寄与することを目的とする医学である。
法律上問題となる医学的事項は多岐で、司法分野に限らず、行政、立法の分野にも及ぶが、司法的分野の問題が最も多い。従って、法医学は法治国家には不可欠な学問であり、制定法の整った民主主義国家においては臨床医学のあらゆる領域に跨って法医学的な問題が存在する。例えば死亡診断書の作成、医事紛争防止などは法医学専門家よりはむしろ臨床医に身近な問題であるが、これらの問題の解決には法医学的な基本知識が必要である。特に医学を倫理、法律、行政、社会、訴訟などと関連づけて見る目を養う必要がある。臨床医に必要な法医学的常識と心構えを医師になるまでに身に付けさせることを目標として、講義と実習を行っている。
系統的講義としては、主として死体に関するものである。死体現象、損傷の見方・所見の取り方、窒息、中毒、内因性急死につき、死体検案に必要な知識を中心に講義を行う。応用的講義は、生体に関する法医学的事項も交えて、主として実務問題の解決に必要な知識を中心に講義する。法医学を専門としない医師にとっても、診断書作成、医事紛争の防止、死体検案などは必ず遭遇する身近な法医学的事項である。
実習では、法医学特有の事項を体験することを主な目標として、血液型検査、アルコール検査、法医解剖の見学などがある。
当分野では法医学者および法医学検査実務専門家の養成を目指している。
臨床活動および学外活動
実務
法医学は社会医学系講座なので種々の鑑定業務を担当し、これが応用医学の臨床に相当する。裁判により、加害者ないしは被告側には相応の責任が科せられるので、鑑定者の責任は重い。従って、法医学ではこれらの鑑定業務を遺漏なく円滑に行うための研究に力が注がれている。
1. 死体に関する鑑定
犯罪の被害者と思われる死体について、刑事訴訟法に基づき、検察または司法警察員の嘱託により、裁判所の許可を得て解剖検査するもので、一般に司法解剖と呼ばれている。司法解剖では、「鑑定書」として嘱託者に回答する。鑑定書は刑事裁判での証拠となり、場合により、鑑定者は裁判所で証人として死因等について証言することもある。これらは、裁判の有罪・無罪の判断にもつながり、公正な裁判制度の維持に貢献し、社会的にきわめて重要であり、責任の重い業務である。最近は医療関連死の解剖も多くなり、最新の臨床知識も必要である。また、平成21年5月から裁判員制度も開始され、わかりやすい鑑定書の作成も求められている。平成25年4月から「警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律(死因・身元調査法)」に基づく解剖が開始された。これは事件性の有無が不明であり、主に死因究明および個人識別のために行われる解剖である。当分野は、東京23区および茨城県の日曜日・月曜日・火曜日の解剖を担当している。
2. 生体に関する鑑定
検察または司法警察員の嘱託により、生体の損傷の程度や成傷時期についての鑑定を行っている。
2023年
法医解剖 187件
(司法解剖 81件、死因・身元調査法に基づく解剖 106件)