概要 研究活動 教育方針 臨床活動および学外活動
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概要

冠橋義歯補綴学は,上下顎すべての歯の欠損の修復を目的とする全部床義歯補綴学および部分的な歯の欠損の修復を目的とする部分床義歯補綴学とともに歯科補綴学を構成する一分野であり,人工歯冠による歯冠修復を取り扱う歯冠補綴学と,冠補綴物を応用して欠損歯列を回復することを目的とする橋義歯補綴学とをその内容としている.
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研究活動

本分野では以下のようなテーマを対象として研究している.

1.咬合,咀嚼に関する研究(下顎位,下顎運動,咬合器,咀嚼効率など)
顎口腔系の機能評価に関して、下顎位,下顎運動,咀嚼効率などの観点からさまざまな解析評価を行なっている。また、口腔機能と調和したクラウン、ブリッジなどの補綴装置を作製するために、咬合器の調節機構についても研究を行っている。

2.咬合接触によって生じるメカニカルストレスが歯周組織をはじめとする顎口腔系に及ぼす影響に関する研究(歯の変位,歯槽骨の歪み,咬合接触,コンタクトなど)
補綴学の目標には機能の回復と回復した機能の維持とがあるが,従来は機能の回復という面にのみ重点をおいてきた.当教室では,機能の維持という面に力点をおき,クラウン、ブリッジなどの補綴装置の咬合面形態によって生じるメカニカルストレスに関する種々の研究を行い,補綴装置にどの様な咬合面形態、咬合接触を与えれば良いかについて研究を行っている.

3.主機能部位に関する研究
食片圧入や歯牙破折などと関係の深い主機能部位と咬合接触との関係に関する研究を行っている.

4.支台築造に関する研究
支台築造法、補綴装置の形状、種類が歯根象牙質、周囲歯槽骨に及ぼす応力解析を行なうとともに、セメント材料が及ぼす影響についても検討を行っている.

5.CAD/CAM、ジルコニア、光学印象などの最新技術の臨床応用、新素材の開発
CAD/CAM,デジタルインプレッションなどの最新技術を応用した補綴装置作製ならびに、補綴装置用新素材の臨床応用に関する研究を行っている.

6.インプラントの咬合接触が天然歯の歯周組織に及ぼす影響に関する研究
インプラントは,歯根膜が無いために機能時に天然と異なる変位を示し,わずかな咬合干渉が顎骨あるいは対合歯の歯周組織に影響を与える危険性が高い.そこで,インプラント補綴装置の咬合接触、隣接面接触が周囲の顎口腔組織にどのような影響を与えるかについて,解析を行っている.

7.レーザーの冠橋義歯補綴分野への応用に関する研究
口腔内で応用可能なレーザーによるブリッジの溶接に関する研究を行っている.

8.歯科材料が歯周組織,生体へ及ぼす影響に関する研究
口腔内の金属補綴修復物から溶出したとみられる金属元素によると思われる金属アレルギー等の障害が報告されるようになってきており,従来生体にとってほぼ無為害性とされてきた合金についても使用時には注意を払う必要がでてきている.歯科アレルギー外来において原因除去療法を行うとともに,歯科材料が歯周組織,生体へ及ぼす影響に関する研究を行っている.

9.顎機能異常の機能分析
歯牙要素の傾斜角を変化させた場合に顎口腔系に及ぼす影響, 特に顆路および咀嚼筋活動に及ぼす影響について研究している.6自由度顎運動測定装置を用いて下顎頭も含む下顎全体の運動をとらえ,顎顔面形態の変化が顎口腔機能に如何なる影響を及ぼすかを咀嚼運動路および側方限界運動路について解析している.
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教育方針

講義,示説,模型実習および臨床実習を通じて,歯質,歯の欠損にともなって生じた口腔,顎ならびに隣接する諸組織の形態,機能および外観上の障害を冠橋義歯によって回復するに必要な学理と実際を習得させる.人工材料による歯冠形態の回復および冠橋義歯による咬合の回復を目的とする冠橋義歯補綴学が立脚する三本の柱は,形態学(口腔解剖学とくに歯牙解剖学),機能学(口腔生理学)および材料学(歯科理工学)であるので,冠橋義歯補綴学の教育においては,これらの知識を総合して,いかにして生物学的に適正な修復を行なうか,という冠橋義歯補綴学の内容を理解させる.そのほか歯髄の病理,処置に関連して歯内治療学,修復物の歯周刺激,歯周組織への負担過重およびプラークコントロールに関連して歯周治療学,歯質削除に関連して保存修復学などの臨床学科目との関連を学ばせる.
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臨床活動および学外活動

外来は,主に補綴治療を行う一般の義歯外来と,歯科材料に対するアレルギーを取り扱う専門外来,歯科アレルギー外来がある.義歯外来では,4~8人からなる診療グループを形成し,各グループのグループ長との連携により診断,治療計画の立案,また急患などの対応などを行い,一歯牙の歯冠修復から全部床義歯にいたるまで,最先端の治療が実践できるよう体制が整えられている.また,歯科アレルギー外来では,口腔内の金属修復物及び治療用歯科材料が原因と考えられるアレルギー患者に対して,アレルギー関連の諸検査を行い,口腔内の金属修復物中の原因物質の存在を非撤去成分分析を行うことにより明らかにし,原因除去療法を行っている.
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