概要 研究活動 教育活動 教育方針 臨床活動および学外活動 臨床上の特色
ホームページ http://www.tmd.ac.jp/grad/cme/index.html

スタッフ

職名 氏名(カナ) 研究者情報
教授 山田 哲也(ヤマダ テツヤ)
助教 柴 久美子(シバ クミコ)
助教 小宮 力(コミヤ チカラ)
特任助教 袁 勲梅(エン クンバイ)
大学院生 中野 雄二郎(ナカノ ユウジロウ)
大学院生 榛澤 望(ハンザワ ノゾミ)
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概要



分子内分泌代謝学分野(糖尿病・内分泌・代謝内科)では、「安心かつ良質な専門医療の提供」「独創的な医学研究の推進と高度先進医療の開発」「次世代を担う若手医師・研究者の育成」を教室運営の基本理念としています。内分泌代謝学は、シグナル伝達分子である「ホルモン」による生体の恒常性維持機構とその破綻により発症する病態・疾患に関する学問です。当教室では、視床下部・下垂体疾患あるいは副腎疾患などの特徴的な臨床症状を呈する内分泌疾患と糖尿病を中心とする生活習慣病に関する診療・研究・教育を担当しています。

診療活動では、地域の中核病院として、増加の一途を辿っている生活習慣病と比較的稀な内分泌疾患を対象として全国でもトップレベルの医療を提供しています。学内の関連診療科・部門との緊密な連携によるチーム医療の要として、豊富な経験を有する内分泌代謝専門医あるいは糖尿病専門医が、内科学講座として幅広い総合医療と高い専門性に裏打ちされた専門医療を実践しています。教室の関連病院や地域の診療所との医療連携を大切にして、地域医療の向上に貢献するとともに、患者さんの身近に寄り添う優しい医療を提供できるように努めています。大学附属病院の診療科として難治性疾患に対する未来志向型の先進医療にも積極的に取り組んでいます。

研究活動では、大学の研究施設として、難治性疾患に対する新しい診断・治療戦略の開発につながる独創的な研究活動が求められています。当教室では、古典的な生理学や薬理学と分子細胞生物学、発生工学、分子遺伝学などの新しい研究手法とゲノムあるいはエピゲノム、メタボロームなどの網羅的解析法を駆使して、「ホルモン」による生体の恒常性維持機構の解明とその成果を臨床の現場に還元するトランスレーショナルサイエンスを推進しています。学内外の関連病院・関連施設と連携して、内分泌代謝疾患に関する臨床研究を展開することにより、当教室ブランドの独創的な医学研究と臨床応用を推進していきたいと考えています。

教育活動では、医学部学生の卒前教育、研修医やレジデントあるいは専門医の卒後教育、修士課程・博士課程における大学院教育を通して、次の時代の内分泌代謝学をリードする人材育成を目標にしています。診療の現場では、充実した初期・後期臨床研修のために多彩な内分泌代謝疾患を経験する機会を提供し、患者さんの身近に寄り添う人間愛にあふれ、最新の医学知識・技術を有する、次の時代の医学を開拓しようという志の高い医師を育成します。研究の現場では、医学部以外の理系学部出身者も多く参加するヘテロな研究集団において、異なるバックグラウンドの若手が切磋琢磨することにより、グローバルな視野とリサーチマインドを有する医学研究者を育成します。人生で最も大切な時期を教室で過ごす若手には、主体的に色々なことにチャレンジして良い経験をしてほしいと願っています。

教室員一同、患者さんに信頼される診療活動と独創的な研究活動を実践すること、次世代の若手医師・研究者には内分泌代謝学の魅力を伝えることにより、わが国の内分泌代謝学の発展に貢献したいと考えています。
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研究活動



#B研究テーマ#BR
ライフスタイルの欧米化に伴って肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化性疾患などの生活習慣病の罹患率は増加の一途を辿っており、国民医療の観点からもこれらの疾患の克服は極めて重要な研究課題です。生活習慣病の成因の解明と新しい治療戦略の確立は、超高齢化社会を迎えつつあるわが国の国民の健康、医療、福祉の向上に不可欠です。当教室では、メタボリックシンドロームあるいは多くの生活習慣病に共通する分子基盤として「慢性炎症」と「エピジェネティクス」に注目し、本領域の基礎研究課題に取り組んでいます。さらに、内分泌・代謝・糖尿病・高血圧領域の病態生理、診断、治療に関する幅広い臨床研究を行い、臨床へのフィードバックに取り組んでいます。主な研究テーマは以下のとおりです。

#B1) 生活習慣病の分子基盤としての「慢性炎症」に関する研究#BR
慢性炎症では、長期にわたるストレス応答により各臓器の機能を担う実質細胞とその隙間に存在する間質細胞の相互作用が遷延化し、本来可逆的な適応反応の破綻により不可逆な「組織リモデリング」を生じて臓器の機能不全や種々の疾患をもたらします。最近では、ストレスあるいは傷害を受けた実質細胞より放出される自己由来成分(内因性リガンド)とマクロファージなどの間質細胞に発現する病原体センサーの相互作用により誘導される慢性炎症として「自然炎症」の概念も提唱されています。例えば、肥満の脂肪組織では、実質細胞である脂肪細胞より放出される飽和脂肪酸が間質細胞であるマクロファージに発現する病原体センサーTLR4を活性化することにより、「悪循環」を形成して炎症反応が持続化し(脂肪組織リモデリング)、これは自然炎症のプロトタイプと考えることができます。当教室では、メタボリックシンドロームや生活習慣病における慢性炎症の分子機構の解明と新しい診断・治療戦略の開発に関する研究を推進しています。

#B2) 生活習慣病の分子基盤としての「エピジェネティクス」に関する研究#BR
環境因子と遺伝素因の複雑な相互作用により発症する代表的な多因子疾患である生活習慣病の発症機序として、種々の外的要因(環境因子)によりもたらされる後天的なゲノム修飾(DNAメチル化、ヒストンメチル化・アセチル化など)による遺伝子発現制御(エピジェネティクス)が注目されています。器官が形成される胎児期あるいは個体の成長が著しい新生児期は、個体の一生を通じて全身臓器の可塑性が最も高い時期であり、胎生期〜新生児期の環境因子の変化がどのようにしてエピゲノム記憶されて成人期の慢性疾患の発症に関与するのかを解明することにより、エピゲノム記憶を標的とする新しい医学応用が期待されます。私たちの研究室では、DNAメチル化に焦点を当てて、メタボリックシンドロームあるいは生活習慣病のエピジェネティクス制御の分子機構に関する研究を推進しています。

#B3) 血管と代謝臓器の機能連関に関する研究#BR
 骨格筋や肝臓などの代謝臓器では、エネルギー環境の変化に対応するために、エネルギー産生機構を制御する転写調節機構が存在します。高血糖、インスリン抵抗性あるいは脂質異常症などの代謝異常により惹起される血管内皮機能障害においても、同様の代謝応答性転写調節機構が重要な役割を果たしています。また、血管は単に臓器に酸素・栄養素を供給するのみならず、内皮細胞に由来する液性因子(パラクリンシグナル)や血管新生そのものにより、代謝臓器の機能を積極的に調節することが明らかになっています。当教室では、血管と代謝臓器のダイナミックな機能連関と代謝疾患における血管合併症に焦点を当てて、血管病と代謝疾患の成因の解明と血管を標的とする治療法に関する研究を進めています。

#B4)ホルモン産生腫瘍の発生機構および病態解析に関する研究#BR
機能性ホルモン産生腫瘍は難治性内分泌疾患から高血圧や糖脂質代謝異常などの生活習慣病に至る広範な疾患の基盤病態となり、ホルモン産生腫瘍の発生機構と病態の解明は内分泌代謝学における重要な研究課題です。当教室では、視床下部・下垂体疾患あるいは副腎疾患を中心とする内分泌疾患を対象とする生化学的あるいは病理学的解析、ゲノム・エピゲノム解析、疫学研究などを通じて、内分泌腫瘍あるいは異所性ホルモン産生腫瘍の新しい検査法・診断法の開発を目指した臨床研究を展開しています。
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教育活動



担当科目:内分泌・代謝学、糖尿病、高血圧
教育方針:内分泌学は、古典的な「内分泌器官」に由来するホルモンのみならず、心血管組織、脂肪組織あるいは消化管などの全身臓器から産生される多くの生理活性物質の分泌・代謝・作用を包括的にとらえる学問です。内分泌系の異常は、糖尿病、肥満症、高血圧症などの生活習慣病から特徴的な臨床症状を呈する比較的稀な内分泌疾患まで多彩な病態・疾患をもたらします。当教室では国民的問題とされる糖尿病を中心とする生活習慣病やメタボリックシンドローム、難治性高血圧、ホルモン異常による多彩な症状を呈する視床下部・下垂体・副腎疾患、膵・消化管ホルモン産生腫瘍などの難治性内分泌疾患の診療を担当しています。生活習慣病あるいは内分泌疾患を対象として、最新の知識に基づく論理的診断と病態生理あるいは生活環境を考慮した全人的医療を実践できる専門医の育成、「慢性炎症」「エピジェネティクス」「異所性脂肪蓄積」をキーワードとした生活習慣病の成因の解明と新しい診断法・治療法の開発、ホルモン産生腫瘍を中心とする内分泌疾患の新しい検査法・診断法の開発を目指した基礎・臨床研究の推進を実践しています。以上の臨床活動・研究活動を通して、知識、技術、思考力を涵養し、高い専門性と総合力を兼ね備えた医療人・医学者の育成を目指しています。

平成30年度の教育実績は以下の通りです。
・医学部医学科系別総合講義(内分泌・代謝)(29)
・医学部保健衛生学科講義(内分泌・代謝)(3)
・歯学部歯学科講義 内科学各論(内分泌・糖尿病)(2) 
・歯学部口腔保健学科 医学一般(代謝性疾患、内分泌疾患)(2)
・医学科実習
・プレクリニカルクラークシップ(PCC):(2018年12月-2019年2月)
 第4学年学生グループを対象に内分泌・代謝実習を担当。
・OSCE(頭頸部診察)を担当
・クリニカルクラークシップ(CC):(2018年4月-2019年3月)
 第5学年または第6学年学生(3-4名)を対象に4週間単位で病棟実習を担当。
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教育方針



内分泌学は、古典的な「内分泌器官」に由来するホルモンのみならず、心血管組織、脂肪組織あるいは消化管などの全身臓器から産生される多くの生理活性物質の分泌・代謝・作用を包括的にとらえる学問です。内分泌系の異常は、糖尿病、肥満症、高血圧症などの生活習慣病から特徴的な臨床症状を呈する比較的稀な内分泌疾患まで多彩な病態・疾患をもたらします。
 当科では国民的問題とされる糖尿病を中心とする生活習慣病やメタボリックシンドローム、難治性高血圧、ホルモン異常による多彩な症状を呈する視床下部・下垂体・副腎疾患、膵・消化管ホルモン産生腫瘍などの難治性内分泌疾患の診療を担当しています。生活習慣病あるいは内分泌疾患を対象として、最新の知識に基づく論理的診断と病態生理あるいは生活環境を考慮した全人的医療を実践できる専門医の育成を目指しています。研究に関しては、「臓器連関」「慢性炎症」「エピジェネティクス」「異所性脂肪蓄積」をキーワードとした生活習慣病の成因の解明と新しい診断法・治療法の開発、ホルモン産生腫瘍を中心とする内分泌疾患の新しい検査法・診断法の開発を目指した基礎・臨床研究を推進しています。以上の臨床活動・研究活動を通して、知識、技術、思考力を涵養し、高い専門性と総合力を兼ね備えた医療人・医学者を育成したいと考えています。
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臨床活動および学外活動




#B1. 診療方針#BR
当科では視床下部・下垂体疾患や副腎疾患などの特徴的な臨床症状を呈する内分泌疾患と糖尿病や肥満症を中心とする生活習慣病の診療を担当しています。「全身を診る」という医療の原点を常に心掛けて、患者さんの身近に寄り添う優しい全人的医療を提供するとともに、地域の診療所や関連病院の先生方との医療連携を大切にして地域医療の向上に貢献します。

#B2. 対象疾患#BR
1)内分泌疾患(視床下部・下垂体疾患、副腎疾患、甲状腺疾患、カルシウム代謝異常、膵ホルモン産生腫瘍、性腺機能異常)
2)糖尿病(1型、2型、二次性)
3)高血圧症(本態性、二次性)
4)肥満症、メタボリックシンドローム、脂質異常症

#B3. 教育認定施設#BR
日本内分泌学会 認定教育施設
日本糖尿病学会 認定教育施設
日本肥満学会 認定肥満症専門病院
日本高血圧学会 認定研修施設
日本甲状腺学会 認定専門医施設
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臨床上の特色



#B1. 内分泌疾患#BR
#B1)副腎疾患#BR
 原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、副腎偶発腫瘍、アジソン病、先天性副腎皮質過形成などを対象として、各種内分泌検査と画像診断による副腎腫瘍の良悪性判定や正確なホルモン分泌動態を総合して治療方針を決定しています。
 副腎腫瘍については、当科と泌尿器科、放射線科、病理部の連携下に副腎腫瘍治療ユニットを形成しており、当科は副腎腫瘍の術前診断と術後フォローアップを担当しています。
 特に、本態性高血圧の10%程度を占めるとされる原発性アルドステロン症の診療に力を入れており、その治療方針(手術・薬物療法)の決定には副腎静脈サンプリングによる正確なアルドステロン過剰産生部位の診断が必須です。当病院では95%の成功率(39症例/2015年)により、信頼性の高い診療実績をあげています。
#B2)視床下部・下垂体疾患#BR
 下垂体腫瘍、クッシング病、アクロメガリー、プロラクチノーマ、視床下部・下垂体機能低下症、尿崩症、SIADHなどの視床下部・下垂体疾患を対象として、ホルモン分泌動態評価および画像検査により正確な診断と的確な治療方針の決定を行っています。下垂体腫瘍性病変については、脳神経外科との緊密な連携の下で術前後の内分泌学的フォローアップを担当しています。
#B3)膵内分泌腫瘍#BR
 インスリノーマやガストリノーマなどの膵内分泌腫瘍を対象として、各種内分泌検査と画像診断に加えて、放射線科の協力の下で選択的動脈内カルシウム注入試験による正確な機能・部位診断を行い、肝胆膵外科と連携して診療しています。

#B2. 糖尿病#BR
(1型、2型)糖尿病、遺伝性糖尿病、膵性糖尿病、妊娠糖尿病などを対象として、糖尿病療養指導士(看護師、管理栄養士、薬剤師)を中心とするコメディカルスタッフと連携してトータルケアを行っています。糖尿病専門医による専門的な医療を提供するとともに、関連診療科と連携して、糖尿病合併症の治療・評価、患者教育を効率良く行っています。認定教育施設として専門医を育成するとともに、患者さんに充実したケアを行えるようコメディカルスタッフの育成にも力を入れています。
 血糖コントロールについては、近年、糖尿病治療薬にも多様なチョイスがあり、病態に応じたきめ細かな治療を行っています。24時間持続血糖モニタリング(CGM)による最適な血糖コントロールや1型糖尿病に対するCSII(インスリンポンプ療法)/SAP(Sensor Augmented Pump)療法などの最新の医療にも積極的に取り組んでいます。
 糖尿病合併症には網膜症、腎症、神経障害などの細小血管合併症と心筋梗塞、脳梗塞、足壊疽などの大血管合併症があり、関連診療科と連携して評価・治療を行っています。近年、大血管障害の増加が臨床上問題となっていますが、頸動脈エコーや血管内皮機能検査による動脈硬化の早期診断に努めるとともに、血圧・脂質管理などの総合的管理により、患者さんの生活の質および健康寿命の確保を目指しています。
 患者教育としては、看護師による生活指導およびインスリン自己注射指導、管理栄養士による栄養指導、薬剤師による服薬指導などの療養指導や糖尿病教室などを通して糖尿病に関する知識を深めていただき、自己管理能力の向上に取り組んでいます。効率的な患者指導・サポートのために、1〜2週間の教育入院プログラムを準備し、患者さんの病状やスケジュールに合わせて柔軟に対応しています。
 2型糖尿病の患者さんはもとより、専門的治療が必要となる1型糖尿病の患者さんも多数通院されています。周辺施設より治療方針の決定や教育入院を目的に御紹介いただいた場合には、評価・退院後に紹介元においてフォローアップしていただくように医療連携を積極的に進めています。
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